みなさんの上に平安がありますように!!
さて、すっかりきれいにお清めが終わったばぁちゃん。
作業が終わると、午後のアスルの礼拝の時刻が近づいていました。
グスルをした場所から、
ブラザーたちがみんなでばぁちゃんを運んでくれています。

特に決まった服装とかないみたいですw
みんないつもと同じ服装をしていましたね。
私にはそれがまた、普段通りの気持ちを保つことができたように思います。
そこへいかにも、日本式の
お通夜に出席
という服装の方たちが・・・。
ばぁちゃんの親戚の方たちでした。
アルハムドリッラー!
モスクの中にまで来ていただけたなんてとても嬉しかったです。
ばぁちゃんの親族はみな遠くに住んでいるので、
亡くなって半日後の葬儀に間に合うわけもありませんでしたし、
そのことは事前に説明して、確認・了承を得ていました。
でもそこはやはり、いきなりのイスラム式のお葬式・・。
え?男女別なんですか?
から始まり、
顔は見れないの?
などなどさまざまな驚きがあったようです。
事前に聞いていただいたのも含めるとざっとこんな感じ・・・。
数珠とかいるのかな?
香典とかどうしたらいいの?
服装はなんか決まりある?
お花を贈りたいけど、どうなのかしら?
電報は打っても届くの?
自分たちも入っていいの?そのなんていうか「教会」?
まぁなんといいますか、、、。
ここで丁寧にご遠慮しなくてはならなかったのが、
お花類と香典でしょうか。
いわゆる日本のお葬式に出す「お花」というのは、
花輪の場合もありますし、祭壇に飾るようなお花もそうですが、
どこにも
飾るところがない
のでありますww
また、日本のように
お坊さんにお礼を・・・。
という感じのこともありません。
イスラームでは聖職者というものがありませんし、
葬儀は最初に書いたとおり「連帯義務」ですので、
だれであれ、亡くなったと聞けば、
みんなでする
ものなのです。
ですので、
いいんですよ~。お気遣いなく、
どうぞ身一つでよかったら来てやってください。。
そんなこんなをお一人お一人電話や直接対応しましたが、
急だったこともあって、私の電話の電源もちょーヤバイ。
その他お悔やみの電話などもあって、
とにかく必要な手配のために電話が必要で、ドキドキしましたww
その後礼拝時刻になるまでの間、
一緒にいてくれた親戚の方たちには、
いつも行う5回の礼拝のひとつをまず行うこと。
その後に、ばあぁちゃんのためにみんなでお祈りをすること。
その中にはこのようなことを言っていますよ、、と携帯画面に言葉を出して、
もしよかったら礼拝の間、一緒に読んでいてくださいね。
などと説明していました。
でも素朴な疑問として、
本人は
知り合いがいるの?
というものがあったようです。
そりゃあそうですよね、
ムスリムになってまだ一年もたっていないばぁちゃんです。
一般の方から見れば、
住んでいた場所を離れて孫夫婦の住むところにやってきて、
ただでさえ友達はいないのではないか?
ムスリムになったっていったって、知り合いはいないのではないか?
本人はそれで嬉しいのか?
などなど思って当然だと思うのです。
でも、
それはもう!
ばぁちゃんはみんなに
愛されていましたよ
というのが私の返事でした。
当然なが、イスラム教徒同士は不思議と互いを本当の家族のように
思って過ごしています。知っていようと知らないどこぞの国の人であろうと、
その対応に変わりはないのではないでしょうか。
でも事実として私たちのおばあゃんということで、
入院中にお見舞いに来てくださった人たちはもちろん、
施設に遊びに来てくれたり、
いつもいつも私たちにおばぁちゃんはどう?元気?
と聞いてくれていたこと。
ばぁちゃん自身もそれをとても喜んでいたことなどなどを伝えました。
そして何より、この訃報が全国にいるイスラム教徒に、
次々と伝えられていること、
中には留学生などで帰国した人からも連絡があったりしていたので、
世界の各地でばぁちゃんのために祈ってくれているんですよ、、、とお伝えしました。
それを聞いて、
それならよかった!
最近はお年寄りが亡くなるとほんとうに寂しいお葬式だものね。
それって素敵ですね・・・。
と安堵した様子でした。
アルハムドリッラー。
だれであれ、一人ぼっちではなく、
たくさんの人たちに愛されて過ごし、
そうした人たちに見送られるというのは、
安堵するものなのでしょうね。
そうこうしているうちに、
イマームが、
ブラザーズ&シスターズ
と話始めて、
みなさんも知っているとおり、
日本人のブラザーヌーフ(旦那さま)のおばあさんが今日79歳で亡くなられました。
アスルの礼拝の後、そのまま葬儀の礼拝行いますので、みなさん続けてください。
と説明したあとで、どのように葬儀の礼拝をするのか、
その方法を簡単に教えてくださっていました。
私も初めての参加なので、
その説明はとても助かりました。
通常の礼拝とちがい、葬儀の礼拝は、
立ったまま
礼拝中に読む章句も声に出さずに行うんですね。
でもこの黙祷の連続のように見える葬儀の礼拝。
ばぁちゃんの親戚の人たちは、
その様子に涙していました。
アッラーのことを皆で想い、
ばぁちゃんのためにこうしてみんなが集まってくれている。
その姿になにか感じるものがあったのかもしれません。
スブハーナアッラー。
葬儀の礼拝が終わるとそのまま柩を向かいの葬儀屋さんに運び、
あとは一晩過ごす準備をするだけ・・・。
と思いきや!
ばぁちゃんの施設の方たちが!
ほぼ全員で!
来てくれたのでありますww
それももう!ほんと
お仕事の合間に!
だったようで、
みなさんいつもの仕事服のままで。
アルハムドリッラー!
入院中もちょくちょくお見舞いに来てくださっていたので、
またお見舞いに来てもらってもいないしな・・・と思って
連絡しただけだったのですが、まさかの全員集合にびっくりしました。
施設へもほぼ毎日会いにいっていましたし、
職員の方たちともいつもいつも、今日はどうやったですよ~、
来るのをずっと待ってましたよ~たった一日会えないだけなのにね~。
と生前とてもよくしていただきました。
ばぁちゃんがお見舞いに来てくれた後、
喜んでいたことや、はよあの子は嫁にいかんのやろか・・
と若いヘルパーさんを心配していたことや、
ばぁちゃんの最期についてもお話をしました。
みなさん、それぞれに自分たちのことを、施設での生活を、
楽しんでいただろうか、、、短い時間でも幸せだっただろうか
と思ってくださっていたようで、
ばぁちゃんんの様子を聞いて、安心された様子でした。
デイサースは嫌がっていましたが、それもみんなで、
もうデイサービスないけん、ほっとしとろうや~と笑ってすごしました♫
いわゆる日本的な
お通夜がない
ということで夜は寂しいものかなと思っていたので、
本当に
ありがたかった
です。
他にも、モスクには来れなかった親戚の方や、
ばぁちゃんと50年来のお友達、
東京からわざわざ来てくれたり、仕事後に家族を一緒に来てくれた私たちの友達など、
いろいろな方たちが会いに来てくださって、
ゆったりと
話をすることができました。
何を食べるでもお経も祭壇も何もない部屋ですが、
義理などではなく、みなさんがただただ、
「ばぁちゃんのために」脚を運んでくださっていて、その
温もりと愛情で
幸せいっぱい
の空間でした。
アルハムドリッラー。
幸せをかみしめつつ、私はシャワーなどもしたいし、
翌日は大分まで長距離移動になるための準備をするべく、
深夜、旦那さまにばぁちゃんはお任せして、
自宅に車で帰ることになりました。
が・・・。
途中で!
オーバーヒート!
してしまったであります。。
どうにか家までは帰れましたが、
もうスタンドは開いてませんしねぇ・・・。
ともかく明日朝修理を聞いてみよう♫
と思いつつ・・・眠ったのであります。
次回はその「ばぁちゃんの埋葬」についてです。
インシャーアッラー。
おしまい
▲ by sarah_51 | 2014-08-29 17:28 | ばぁちゃんのこと | Comments(0)