「脳転移」と友と私⑬「より強いつながりへ」


色々な期待を込めてあえて離れた出張期間。


正直私の体はボロボロで。
出張準備が全然できていなかったけど、
かなり色々な責任を背負った出張で。

29年ぶりの新薬にかける想いなんて話を
大手製薬会社の全社員の前で講演していました。 
その日の朝調子が悪く、
血液製剤を打ってもらった後の講演で。
この日の東京は体感温度は40度近い状態で
ホテルに着いた後もしばらく
身動きできないほど出し切った感じだった。

そんなこんなで友と連絡を取る余裕もなく。

戻ってからもすぐには行けそうにないからと
数日行けない旨を伝えていたのだけど。

自宅に着いて1日休んだら、
やっぱり色々気になってしまって。
特に、だいぶきつく色々調べて
決めるよう言ってしまっていたので。

結局1日早くに友に何も伝えず
病院に行ってしまった。

私はいつもカーテン越しに
手だけ入れて、友に挨拶する。

声をかけて「入るよ」と言えないためだ。

いつものように手を入れて
カーテンを開けると、友がめっちゃ驚いて、

でも2人で自然と大きく両手を広げ合って、
気が付いたらハグしていた。 

「無事にまた会えた~」

と友が声に出して言うもんだから。
友は友なりに、私の体調や出張や
いろんなことを心配したり、
考えたりしてくれたんだなと。
その一言でとてもよくわかった。 

2人ともきっとそのままだと
涙が出そうだったんだろう。

なんかそれをごまかすかのように、
あれこれと話をしだして
友はノートを見てくれ見てくれと
言わんばかりに見せてきた。 

そこには、私が出していた宿題。

葬式の方法や埋葬方法・場所、
荷物の整理方法や業者の選定など。

まーアホみたいに几帳面に
いくつもの業者の名前と連絡先と
住所などがびっちりノートに書いてあって。

まるで小さな子にするようだけど、
頭をよしよし、よしよしとなでてしまったよ。

正直どれもすでに私も調べていた内容だったけど、
私にとってはそれを友が「自分で」
調べて考えたことが1番大切で、
1番嬉しいことだった。 

だから内容が大事なのではなく、
それを「やった」その結果を見て、
もうあとは「わかった」とだけ言って、
全部私が代わりに電話して最後まで
やることにした。 

それだけではなかった。

もう1つ出していた宿題である、
筋力トレーニングの成果だ。

ちょっと歩きの様子も見たいけん、
廊下歩いてみてくれる? 

そう言うと友はさっと立ち上がって
カーテンを開けて、くるっと回って
またカーテンを閉めた。

「これはかなり改善してる」

ターンするのはとても難しいのだ。
頭痛やめまいがあるとなおのこと
バランスを崩しやすく、
向きを変える時ゆっくりになりがちだ。

でも友の動きはとても素早くて。

実際歩いてもらっても、
かなりスピードもアップしていたし、
ずっと手すりを持たずとも
歩けるようになっていた。

「やるじゃーん!」

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まだまだ猫のしっぽが見えるみたいな
歩きだけどなー!笑 

でも友の動きだけでなく
会話やいろいろな点で、
友は何段階もレベルアップして、

「自分で生きていく」

その気持ちを大きく持った気がした。
また、友自身もとても自信が
ついているようだった。 

そのがんばりと、結果に私は

「外出させよう」

と決意し早速看護師さんへ伝えた。

友にご褒美はもちろん、
今の自分自身の体力や状態を
理解してもらうにも外出は
とても良い体験リハビリになる。

そう考えたからだ。 

私が理学療法士ということもあり、
必ず私が付きそうという条件で、
早速許可も下りたが同時に、
主治医がMRI検査の結果を
私が同席で説明したいとのことで、

翌日主治医の説明を聞いた後
外出することに。

それはまた同時に出張前に出ていた
今後の治療と転院先の調整なども
決断する時でもあった。 

私はその「治療選択」をするにあたり、
友にどうしても再度確認したいことがあり
そしてまたそれが私の気がかりでもあった。

でも全てはまず明日の検査結果を聞いてから。

そう思いつつその日は久々の
再会を心から喜び、どことなく
友と私は前にも増して「あうん」の呼吸で
色々なことを進めていけそうな気がしていた。

アッラーにその結果が良いもので
あることを祈りつつ・・・ 

つづく 












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by sarah_51 | 2018-09-20 23:26 | 医療と健康  | Comments(0)