死ぬ覚悟
みなさんに平安がありますように!
突然ですが、読者のみなさん「往生伝」って聞いたことありますか??
何それ? ぜ~んぜん知らな~い!!!
ですよね。。
私も知りませんでしたが、
仏教によって極楽へ往生を遂げた人たちの伝記集だそうですよん。
今日はその中から大坂鹿島氏の娘の六という方のお話を紹介したいと思います。
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宝永五年(1708)七月中旬、六は麻疹を患い、下痢症状が加わり、
多数の良医に診てもらったが皆一様に
『わが薬のよくするところにあらず』
とさじを投げる始末であった。
また眼病を患い、両目の痛みは刀をもっと目を切り裂くような激痛をともなうものであった。
しばらくして六の左目は抜け落ちた。六は、
『目は身体の中で最も大事なところで、家の中の窓のようなものだ。
私はすでにその大事なものを失ってしまった。
いったいこれからどうして人生に生きがいを持てるだろうか。
こうなってしまったからには、早く死にたいものだ。
どうか使いを遣わして某上人を迎えてもらいたい。
そして世事を捨て仏道に入る心構えを聴き、これからの心の糧としたい。』
と言う。
両親は六の希望を叶え上人を招いた。
上人から、
『生を求めても生を得られず、死を求めても死を得られない。
生死が思い通りにならないのは人間の常のことだ。
だから死を欲するものが必ず死ぬというわけではない。
しかしながら、「念死念仏」は大切な用心なので、
あなたが死のうと思うその覚悟は良いことだ。
まさに一心に念仏を唱えて浄土に生まれることを願いなさい。』
と諭され、六はことのほか喜んだ。
その後も六は苦しみに悩まされたが、深く上人の教えを体し、念仏に励んだせいであろうか、
心身が安らかになり痛みがひいた。
宝永5年八月十八日、六は父母、親族等に対して、
『どうか皆さん、努めて念仏を唱えてください。
お浄土でまたお会いしましょう』
と述べ、言い終わると念仏を三十遍ほど唱えて息を引き取った。
享年十三歳。
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どうでしょう??
たった十三歳ですよ!
あたし死んじゃいたい!!!とわめいたりして、自殺を試みたりするでもなく、
きちんと尋ねるべき人に尋ね、またその教えをしっかりと受けいれていますよね。
そして上人も叱るでもけなすでもなく(まぁ当然ですが。。)
相手の意思をしっかり受け止め、認めた上で教えを諭しています。
そしてこんなにも穏やかに浄土への希望と喜びを持って最期を迎えた六。。。
いや~。
私もいつ最期という日が来るかわかりませんし、
またこの世で皆に平等に100%あるもの。。。と言えば「死ぬ」ということ。
じたじたバタバタするのでなしに、
いつかわからぬその日に備えて日々準備をしておきたいものです。
おしまい
by sarah_51 | 2011-02-02 18:38 | こんなことがあったよ!! | Comments(1)